この物語に梅澤美波ちゃん並びに乃木坂46メンバーは一切出てきません。
お酒関係の仕事に就いていたにもかかわらず酒に弱かった。
ありがたいことに先輩にかわいがってもらえて多い時には週7で飲みに行っていた。
大阪はミナミの今はもうないがL(仮名)という名前の店にたまたま入る。
おねーちゃんがお酒を注いでくれるお店、わかりやすく言うとキャバクラだ。
最初に俺に付いてくれたEちゃんは滋賀県出身で経験はまだ1ヶ月位だった。
お客様ノートみたいなのをつけていて熱心だなと関心した。
何回か通い、店の黒服のにーちゃんとも仲良くなり、酒の持ち込みは出来ないかと頼んでみたら5000円でOKをもらえた。
一番好きな酒であるサントリーの『響』をキープしてその日は帰った。
数週間後Eちゃんからメールがきて店を辞めた事を告げられた。
ほぼ飲んでいない響を置いたまま数ヶ月が経ってこのままではボトルが流れてしまう。
そう思った俺は、仕事仲間4人で久しぶりにLに行き、その時に俺に付いてくれた子がYちゃんだった。
基本ニコニコしているが、気の強い女の子だと知るのにそう時間はかからなかった。
当時Yちゃんは19歳で美容系の専門学校に通う学生だった。
響もまだ2割位残っていたので後日1人でYちゃんに会いにLに行った。
世間話なんかをしていて
ヨ「そう言えばUSJ行ったことあるん?」
Y「2回行ったよ」
ヨ「3回目行く予定ないの?」
Y「そろそろ行きたいかも」
ヨ「じゃあ一緒に行こうや、案内して」
Y「うん、いいよ」
正直ちょっと驚いた。
Yちゃんは店のナンバー1で、男前でもなく金を持っているわけでもなく破天荒に憧れてバカな事をしているだけの男の誘いに乗ってくれるなんて。
競馬で1レース10万円ツッコんで数分で夢敗れるような男なのに。
多少人より面白く、トークがキレているなんて当時は思っていましたが。
これは行く行く詐欺じゃないかと思った俺は、
ヨ「いつ行く?」と聞いてみた。
Y「◯日だったら空いてるよ」
ヨ「じゃあ、その日に行こう」
はっきりとした日にちは覚えていないが1~2週間後位だったと思う。
4、5回USJに全部違う女の子と行ったが、初めてということもあるかもしれないが今振り返るとダントツで一番楽しかった。
ある時は神戸のルミナリエ行って中華街の『南京町』でご飯食べたりした。
結構頻繁にご飯食べに行ったり遊びに行ったりしていた。
一年位経ったある日、ふと疑問に思った。(遅すぎ)
「俺ってなんでヨシキチって呼ばれてるんだろ」
俺がYちゃんの事を誰も呼んだことのないあだ名をつけようと、『ゆ◯◯◯◯』(一応伏せ字にしておこう)と呼んだからそのアンサーあだ名だろうが理由がわからない。
思い切って聞いてみた。
ヨ「俺のあだ名ってなんでヨシキチなん?」
いつもの1.5倍位の笑顔でYちゃんはこう答えた。
Y「えっ、だってヨシキチはヨシキチやん」
そうヨシキチはヨシキチだから俺はヨシキチと呼ばれている。
事件は完全に迷宮入りだ。
Yちゃんお元気ですか?
あれから十数年経ったけど、俺はいまだにあなたが付けてくれたヨシキチというあだ名を使っています。
完